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2007/10/16

裁判で勝ったからといって音楽産業を救う役には立たない

音楽産業は最初のファイル共有訴訟に勝った。これは始めて正式裁判まで行ったケースで、昨日(米国時間10/4)、陪審員はミネソタ州の女性について、24件の著作権侵害について責任を認めた。判決は1曲について$9,250、24曲について総額$222,000の損害賠償を課した。音楽産業は楽曲の価格がゼロに限りなく近づくのをこれによって食い止められると期待しているのだろう。

音楽産業は法外な金額の判決でファイル共有ネットワークから楽曲を無料でダウンロードするのを思い止まらせることができると思っているのだろう。しかし、ファイル共有者に与える実際の効果といえば、どんなことをしたら危ないか、メールやIM、その他のオンライン・アカウントと同じハンドルネーム―この場合は「tereastarr」―をファイル共有ネットワークで使いまわすようなことをしていけないという教訓を与えただけではないだろうか。

過去4年間にRIAAは26,000人の顧客を訴えてきたが、ほとんどの場合$4,000程度で和解してきたので、これほどのタナボタな賠償金が取れたのは初めてである。本裁判まで行ったのはこれが初めてだ。だからこの判決は(上級審で減額されない限り)、重要な先例となる。あと52,000件同じような訴訟に勝てば、なんと昨年の音楽産業の総売り上げ$11.5B(115億ドル)に匹敵する額が賠償金として取れるわけだ。

誰かRIAAに召喚状を自動的に生成するソフトを作ってやるといいだろう。裁判だけで音楽産業を救おうとすればなお一層の努力が必要だ。あるいは音楽産業は同じ金と時間を新しいビジネスモデルを作り出すことに使うこともできる。つまり、ipod、ウェブからのストリーミング、P2Pでの共有といった今日、人々が実際に音楽を聞いているやり方をベースにすべきなのだ。音楽がデジタル化するにつれて、より交換・共有可能な存在になっていくのは不可避である。人々が音楽を交換し、共有しようと望むのはそれが簡単に可能だからだ。今のところ法律は味方かもしれないが、RIAAはマーケットを敵に回している。
少し前に紹介したフェアユースの方がコピーライトよりも経済的効果は大きいの内容ですが。
賠償金で補う収益と、今後ユーザとオンライン音楽の課金を比べれば自ずと答えはでてきそうですが。
そんなに簡単なことではないのか。

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